フリーランス(個人事業主)が法人化する5つのメリットとデメリット

フリーランス(個人事業主)のWebディレクターを5年間行い、2020年9月に法人化の設立を行いました。会社設立をするにあたり、何の手続き・費用が発生するのか、それにWebディレクターが個人事業主から法人化にすると何のメリット・デメリットがあるのか??の私の実体験をまとめました。

この記事を書いている編集者のプロフィール


Webディレクター / マーケッター / デザイナー / 株式会社StartupMarketing 代表
東後 哲郎(とうご てつろう)

1987年宮崎県生まれ。デザイン学校を卒業後、3年Webデザイナーを経験、イギリス·オーストラリアにてデザイナーとして活動。Webデザイナーから大手上場企業の新規事業立ち上げのマーケッターに転職。マーケッターを3年経験後、2016年4月からフリーランスとして活動。 →詳しいプロフィールや経歴はこちら

フリーランスのWebディレクターが個人事業主から法人化にした5つの理由

理由1.個人情報や会社の知的財産を扱う場合、万が一の事があった場合に個人事業主だとリスクが高い

事業会社のWebディレクターを担当している方は、salesforceの個人情報の取扱いでしたり、社内の知的財産(Googleスライドなどクラウド情報も含む)の情報などはみなさん取扱があると思います。こちらが、もしも発表前に流出したとか、事故があった場合は、個人の責任になります。法人にした場合、責任が法人になりますので、資本金分が賠償の範疇になります(私は資本金が100万ですので、ここが範疇になります。)

個人事業主だと、賠償額が全て払えない金額だと、一生付きまといます。会社に毀損が発生する金額は、個人ではとても賄えないと思いますので、法人にする事を強くおすすめします。

理由2.今後個人でなく、法人で借入(資金調達)を行いたい

個人での借入ではなく、法人で借入を今後検討しております。5年間仕事は全く問題ないですが、もしも万が一仕事が連続でなくなった時の為に、最低でも1年分の現金と借入を出来る状態にして、万全な状態を作っておく。

個人事業主の方で、個人の信用で借入をしてビジネスをしている方も多いと思いますが、出来るだけ法人で借入する事をおすすめします。法人だと借金が返せなくなった場合、倒産になりますが、個人事業主の場合は付き纏い、自己破産というケースになるからです。

理由3.社会的信用が個人事業主では難しい

過去に住宅ローン審査や賃貸審査で引っかかった事もある為、今後の社会的信用の部分も考えて、個人事業主から法人化へ。日本社会での、今後フリーランス増加による大きい壁になると思います。

→フリーランスのWebディレクターになって、失敗した経験7つ

理由4.税金面を計算した所、個人事業主よりも法人の方がお得

細かく税金を計算した所運用費も考えると、若干だけ法人の方が得かなぐらいの感じです。そこまで大きくは変わらない。個人事業主でも、1人の売上ですので共済とかに加入するだけで節税対策はいくらでも出来る感じ。

事前に法人か個人かどちらがお得かのエミュレーターを使い、個人事業主と法人で比較した方が良いです。

●freeeの法人用のエミュレーター
https://www.freee.co.jp/launch/tax-simulation-incorporate/
→簡単な質問に答えるだけで、個人事業主と法人の税額を比較することができます。

理由5.今後正社員になる予定もない為、長く続けていく為に、法人にしようと決意。

就職する気は自分の中でないですので、踏ん切りをつける為に法人化へ。

以上が法人にした経緯になります。会社の知的財産などを取扱う為、ここの理由が一番大きいです。若干税金面で損したとしても、法人化はするべき。

フリーランス(個人事業主)から法人化にして大変なコト3つ

1.確定申告の観点

法人にすると経費の入力も複雑になる為、税理士さんとの顧問契約をしました。これまで個人事業主でしたので都度自分で調べて記帳しておりましたが、自分の専門領域に集中する為、クラウドで付ける事は辞めて、税理士さんへ全てお願いする事に。

2.社会保険料の観点

社会保険料などの計算。ここも税理士さんと相談しながら、社労士さんに依頼をしました。自分の月額報酬によって、社会保険料は大きく変わってくる為、あまり多くせずに、調整を行いました。

また、月額報酬と社会保険料の金額表を比較して決めていくと良いと思います。

東京都の令和2年9月分(10月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表

3.自由にお金を引き出す事は出来ない

自分の報酬は月額報酬で固定ですので、会社のお金を勝手に引き出す事は出来ないです(会社員と同じルール)月額報酬以外に勝手に引き出した場合は、会社のお金ですので個人への貸付になります。自分の借金になる為、後で返済をしなければなりません。なので、月額報酬は生活費を計算した上で決めていきましょう。

これまでの個人事業主のように、自由に引き出す事が出来なくなります。

以上の3点が法人にすると大変な事になります。出来るだけ税理士・社労士の専門家の力に頼った方が良いです。

法人化の手続きに行った5つの事

法人設立にはいくつか準備をしていかなければなりません。基本、司法書士さんに依頼をして、準備の依頼書とか一式を頂いて今回は準備をしました。

税理士さんに法人設立の件を相談すると、司法書士・社労士さんと多くの関係者が連携しております。まとめて一箇所に税理士さん経由で、司法書士の方に依頼をした方が良いです。(都度違う方に依頼すると、接続が大変です)

1.定款に伴う必要資料の作成

自分で正解の内容を作るのは難しい為、ざっくりの箇条書きのタタキを作り、司法書士さんもっともらしい形に作って頂く。定款の内容は後で変える事が大変な為、業務内容は幅広いモノにした方が良いです。

2.会社名の作成

世の中の同じ会社名になっても、住所が被らなければいいそうです。私は株式会社StartupMarketingにしましたが、同じ会社名ありました。ww

3.法人登記をする住所のレンタル

法人登記を行う、住所が必要になります。自分の住んでいる住所を登録してしまうと、ネットに公開されてしまいます。それに私はマンションですので許可とかも必要になるそうですので、バーチャルオフィスを借りる事に。

スタート時ですので、出来るだけコストを抑えたバーチャルオフィスがおすすめ。

4.法人用の印鑑

会社の印鑑いるのかな??って思いましたが、絶対必要でしたので渋々作る事に。費用は3万程かかりました。印鑑に3万って高いなと。2千円ぐらいかと思っておりましたが。

会社の実印と、銀行印と認印の3点セットにしました。認印とかは必要ないらしいのですが、使いそうだなと思い作成。個人の印鑑と管理が大変になる為、ケースも購入。合計3万円になる事です。

5.資本金の入金と確認

金額は入金しないでも、自分が申請した資本金を持っている事を証明できればいいとの事。100万円を引き出して、入金をして、金額ピッタリにして、残高証明書を発行し印刷をして司法書士さんに送付。

資本金をあんまり高くすると、後々大変になりそうですので、とりあえず100万にしました。今後検討で、300万円ぐらい入れないと、与信チェックとかあったら引っかかるかもと。

上記を一式整理して、司法書士さんから届いた定款に印鑑を押して、資本金の写しをお渡して、司法書士さんから法務局へ提出。自分で書類を作って、法務局へ行って、間違っていたらやり直しになるなど大変ですので、司法書士さんにまとめてご依頼した方が良いです。

法人設立にかかった、費用の合計は:約27万円

1.印鑑購入代金:約2万円
2.定款と申請で約20万
3.司法書士さんへの依頼費:約5万円
合計:約27万円

6.法人用銀行の作成(これは会社設立後になります)

法人用の銀行口座を店舗型の銀行・信用国庫か、ネットバンキングが迷い月額の維持手数料と振り込み手数料で検討した所、初動は住信のネットバンキングに。

何よりも1回も店舗に行かずに、口座維持手数料も0円。振り込み手数料も月に10回無料。
住信のネットバンキングですと、コスト0です。振り込み手数料とか法人用ですと結構高いです。

実店舗の銀行ですと、維持手数料が毎月5千円でm年間最低でも6万円かかる事になる為、維持費だけで発生するのはつらいなと。ネットの会社ですので、ネットバンキングでスマートに。

→住信の法人用口座

⑤個人事業主から法人化する時に役に立ったおすすめ書籍

1.ストーリーでわかる財務3表超入門

法人とは??の所と、会計に伴う基本の財務3表がストーリー形式で理解できます。実際に法人を設立する所、借入をするストーリーもある為、法人って、会社って何だろうの全体像を理解する際におすすめの書籍です。

2.個人事業と株式会社のどっちがトクが全て分かる本

実際にメリット・デメリットを比較したもの。売上に対して年収で税金換算された表などがあります。自分で計算したり、あれこれ考えるのは難しい為、こちらを読んで具体的に何が得で何で損をするか比較検討をしましょう。

3.個人事業を会社にする

こちらも個人事業主から法人成りする時のメリット・デメリットをまとめた内容。先ほどの書籍と2つ読んで、網羅的に検討をするべき。会社を作るのは簡単ですが、閉じるのは大変な為。個人事業主と会社の経費の部分も大きく変わってきますので。

上記3つで十分です。単純に税金面だけでも、所得金額が500万以上だったら法人にした方が得をするとか、専門家の人が具体的にまとめた内容が掲載されています。もちろん、経費周りの内容も。全体でメリット・デメリットを考えた方が良いかと思います。私は、会社維持費用のコストは保険代金と今後の未来の借入の信用貯蓄と考えております。

6.最後に結論とまとめ

簡易的なツールで会社設立が出来るクラウドサービスがありますが、私の実体験ですと専門家に依頼をして手続きを完了させた方が良いです。

合わせて税金面も個人事業主と違って複雑になってきます。自分で作った売上でも、勝手に銀行のお金を降ろす事もやってしまうと横領になってしまいます。

司法書士、税理士、社会労務士の3つの専門家が必要になりますので、全て専門家に依頼をしましょう。金額は発生しますが、ミスを減らす事と不安と、都度分からなくなって、本を開いて自分で判断するよりもお聞きしてクリアにしていった方が良いです。

ただ、知識として税金・ファイナンス系などの書籍は複数読んだ方が良いです。自分の税金知識は持ちつつ、意思を持った上で、専門家に相談して会社設立を行いましょう。

おわり。

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