Webディレクターの仕事は、プロジェクトでチーム内を円滑に推進をして、高い効果を出していくが求められる職業になります。影響範囲が大きいプロジェクトになると、プロジェクトに経営者、マーケティング、営業、ライティング、デザイナー、フロントエンド、システム開発者などの、自分が経験した事のない職業のプロジェクト・マネジメントの設計が必要になってきます。
全てを自分の知見だけで推進する事は難しい為、ヒアリングをしながら進める事になりますが、プロジェクトを推進する上で、体型化された「型」が必要になります。
WBSでタスク細分化をすると思いますが、プロジェクト・マネジメントになると、社内・社外のステークホルダー(利害関係者)の理解を踏まえた上で推進をしなければなりません。
自分の得意領域以外のプロジェクト推進をする上で、特に役に立ったおすすめのプロジェクト・マネジメントに関連する書籍を掲載しております。
この記事を書いている編集者のプロフィール
Webディレクター / マーケッター / デザイナー / 株式会社StartupMarketing 代表
東後 哲郎(とうご てつろう)
1987年宮崎県生まれ。デザイン学校を卒業後、3年Webデザイナーを経験、イギリス·オーストラリアにてデザイナーとして活動。Webデザイナーから大手上場企業の新規事業立ち上げのマーケッターに転職。マーケッターを3年経験後、2016年4月からフリーランスとして活動。 →詳しいプロフィールや経歴はこちら
この記事で分かること
①図解とマンガでわかる プロジェクトを成功させる技術
そもそもプロジェクトって何??という所から、具体的なグラフや図で掲載されております。
プロジェクト=独自性×有効性=不確実性と書かれており、プロジェクトは全て、不確実性の中で進めてやってみないと分からない事が記載されております。
プロジェクトとは、「やったことがないことを計画・実行して、期限までに終わらせること」
※書籍内から抜粋
つまりプロジェクトマネジメントとは、「やってみないとわからない」という現実を受け止めて、意思決定をタイミングよく行いながら、不確実性を乗りこなすこと
※書籍内から抜粋
プロジェクトは大前提としてやってみないと分からない(不確実性)を理解した上で、対処するアプローチ手法、不確実性を小さくする為に、プロセスを設計する、リスクを想定する、計画と実績を比較するなどの、具体的な解決手法がグラフ・図が掲載されております書かれています。
・権限を持たないリーダーが人を動かすには価値交換を行う
社内の人を動かす場合、フリーランスの私も含めてですが、Webディレクターの方でも役職に付いていない方は、権限を持たないので、そういった面も含めて、解決手法が書かれております。
内容も、漫画とストーリーで具体的にグラフ・図で描かれている為、主人公の心境を理解しながら、プロジェクトマネジメントとは??を体型的に2時間程度で学べます。
②Webディレクションの新・標準ルール システム開発編
Webディレクターがプロジェクトをマネジメントをする上で、苦労する所が、システム開発周りの知識。全般的にノンエンジニアの方が、開発周りのワークフロー・ディレクションの方法が記載されております。
フロント側を理解している人は多いですが、開発側になると少ない為、こちらの書籍がお勧めです。
システム開発の依頼方法・機能要件仕様書なども、テストの仕方(単体・結合)の方法・ノンエンジニアでも理解しやすい様に記載がしてありますのでお勧めです。
私も普段から開発ディレクションのポジションで効きながら推進をしておりますが、技術者ではない為、システム開発周りを全て理解する事は不可な為、都度効きながら・調べながら進めております。
自分でアプリのプログラミング教室に通ったり、システム開発周りを学んでおりましたが、全部理解する事は難しい為、全体の概要を抑えていく事に。
Webディレクターだから、システム周りの事は分かりません!だと仕事にならない為、コードを実際にかけなくても、極力知識として、溜めておく事をお勧め致します。
③予定通り進まないプロジェクトの進め方
なぜ、依頼主からの認識齟齬が起きるのか??
りんごの買い物の例で分解されており、理解しやすい。プロジェクト・マネジメントでは、依頼の内容の認識合わせをして具体的にしなければならない。
要件定義のフェーズの事。
リンゴが欲しいから買ってきて、と誰かに頼まれたときのことを考えてみましょう。依頼をする側とそれを受ける側、互いの考えが一致していればこれほどたやすい仕事はありませんが、プロジェクトにおいては決してそんなことはありません。
リンゴは一つでいいでしょうか、それとも袋詰の四つ入り?それともダンボール箱にぎっしり欲しいかもしれません。産地は、青森産がいいのか長野産がいいのか。はたまた輸入物がいいのか。聞いてみると、意外な答えが返ってくるかもしれません。おやつにそのまま食べようとしているのでしょうか、それともアップルパイを作りたいのか、はたまたカレーの隠し味に使いたいのかもしれません。
依頼主によって、依頼の中身が違ってくる為、要望と要求に対して、必ず一致をさせる。ここが一致していないと認識齟齬が起き、手戻りが発生します。
伴奏する為の、「プロジェクト譜」
私の中で、プロジェクト=プロジェクト譜という概念が書いてあり、とても理解をしやすかったです。全体のプロジェクト・ゴールマップを作成して、伴奏しながら進めるのが、プロジェクト・マネジメントの仕事です。
プロジェクト開始前の時点で、すべてを予見した完璧なプランを立てることは不可能。
④紙1枚に書くだけでうまくいく プロジェクト進行の技術が身につく本
予定通り進まないプロジェクトの進め方の著者の人が書いた新書籍。プロジェクトの完璧な再現方法はない為、実際は蓋を開けてみないと分からなく、それを大前提に進める。
プロジェクトの基本の進行から、中間ゴール、最終ゴールまでの手法と心構え、役割分担など明確に書かれています。
プロジェクトにおける成功とは、「理想と現実の間を往復することで、本当にやりたかったことは何かを発見し、その姿にたどり着くこと」
自分のプロジェクトに完全に当てはまる事例・マニュアルは存在しないのです。
プロジェクトは「いざ蓋を開けてみたら、思っていたのと全然違う!」との戦いである
戦争論の古典である『孫子兵法』では「真の智者はさも当たり前のように難しい戦いを勝つので、他人は何が難しかったのかすらわからない」
やるべきことが何かが見えていないのに、日程だけを守ろうとしてうまくいかない状況はプロジェクトが失敗するよくあるパターン
良くあるケースで、ざっくりの要件と公開日の日程だけ決まっているプロジェクトが多々あります。そういった案件は、マイクロで進めるのか、何をスコープ外にするのか、その時に良い選択と認識齟齬をなくさなければ成りません。
様々な事が書かれていますが、完璧は存在しなく、蓋を開けてみないと分からないというのが、プロジェクトの難しさであり、そこの性質を理解した上で、進めるという事が書いてあります。
まとめと結論
完璧なフローを探しておりましたが、プロジェクト・マネジメントのプロの作者が共通として言える事は、そういった内容・テンプレートはなく、どう不確実性を具体化して、進めるかがプロジェクト・マネジメントの腕の見せ所になると描かれています。
実際に蓋を開けてみないと、プロジェクトは分からない、完璧ではないの性質を理解した上で、どう、進めるかが大事だなと。著者全員ですが、スタート時はプロジェクトの推進にかなり苦戦しながら進めている所感を感じました。
私もプロジェクトのスケジュールを失敗して、リリース前、1週間が残業が続いたり、認識齟齬が起きて手戻りが起き、予定よりも時間が遅延したり何度も経験があります。
その失敗の上で、リスクが起きる前提で考えて最小限に留め、出来るだけスケジュールを短くきり、何かが起きる前提でバッファを持ちながら推進して行く事が、プロジェクトをゴールに導きます。
完璧なプロジェクト・マネジメントがない分、Webディレクターは、プロジェクト・マネジメントスキルを付ける事で、市場での高い評価を受ける事が出来ると断言出来ます。
【参考サイト】プロジェクトマネジメント・ワークフローの参考になったサイト
1.PM(プロジェクトマネージャー)になったら絶対に読むべきおすすめの本6選(転載)https://blog.tinect.jp/?p=11165
2.経験から感じるWebディレクターとプロジェクトマネージャーの違いについて考えてみたhttps://liginc.co.jp/347990
3.ベイジのweb制作ワークフロー2018(140のタスクと解説)https://baigie.me/sogitani/2018/08/baigie-workflow/
4.Webサイト制作プロジェクトにおける、130の工程別チェックリストhttps://sairu.co.jp/doernote/213