私が2016年に独立をして、個人事業主5年間、2020年に法人化をして今年1年目のフリーランスのWebディレクターになります。独立してクライアントから安定的に選ばれ続ける為には、独自の選ばれる理由作りの「戦略」が必要になってきます。
世の中には優秀なWebディレクターが多数います。その中で自分の得意領域を見極め企業に選ばれ続ける理由を作らなければなりません。
Webディレクターの基礎的なスキル「進捗管理」や「ワイヤー」を単純に作れるだけだと、多数いる為、選ばれ続ける理由になりません。
私が独立した当初、デザインとディレクションの両方が出来るを売りにしていましたが、得意領域がどっち付かずで中々クライアントに選ばれなかった、それに月額単価も上がらなかった悩みがあります。
そこから見直しをして、自分の得意領域を明確にして特化していく必要性がある!と感じ、独立の戦略に関する書籍を探しました。
その時に私が実際に参考になった「6冊の書籍」をピックアップ致しました。これから独立する方・独立して悩まれている方のご参考になればと思います。
【6冊に書かれている結論:共通して書かれている事】結論:①競争しない・戦わない ②得意領域を明確にする ③やらない領域を決める
この記事で分かること
1.小さな会社のブランド戦略
著者:村尾 隆介 (著)
独立当初に、自分の得意領域を生かし、自分だけの小さいブランドを作るという所です。大企業向けのブランド戦略の手法は多数の書籍にもありますが、小さい会社(個人経営)の会社が、どうブランドを作って選ばれる会社になれるのか?が具体的な事例を持って体系的に書かれております。
ブランドという言葉が出てくると、大企業のイメージが強いですが、フリーランスこそ小さいブランドを持っていかなければならないです。
とても印象に残って、私の中でも常にモットーとしている「戦わないこと」。小さい自分の得意領域を少しずつ集めて、掛け算をしてバリューを作ろうと思ったきっかけになりました。
【引用】
小さな会社の基本戦略は「戦わないこと」です。そして、他社との戦いを避けながら経営をしていくためには、常に自社のポジショニングを意識しなくてはなりません。
2.戦わない経営
著者:浜口隆則 (著)
個人経営のスタートとの一歩として読みやすい1冊です。
タイトル通り、なぜ戦わない必要性があるのか??戦わないには、何をすべきかが具体的に書かれており、その為の解決手法で自分の「ポジショニングマップの描き方」が書かれております。
【引用】
「戦わない経営」を実践するために大切なのは、まず、「戦場から出る」ということです。戦場にいる限り、戦いをやめることは、困難です。だから、競合する相手のいない場所を探します。それが、ポジショニングの目的です。
3.会社は「1人」で経営しなさい
著者:山本 憲明 (著)
私がフリーランスが1年目〜2年目を超えて、軌道に乗り始めた頃に個人ではなく「組織化」も考えておりました。
ただWeb制作の組織化になると従業員を雇い気を使い、「受託制作」をやり続けなければいけないなと思い、1人で小さい事業を作っていきたいと今後も思っている所で、1人の経営者の書籍がないかと探して見つけた一冊です。
1人で会社を経営する事のメリットが具体的に書かれております。いまでいう、フリーランスのメリットですね。
なぜ、会社は1人がいいのか?正社員は雇わないで会社を作っていくのか??の課題に対して、社会的な背景と具体的な解決策、1人経営に対してのお金の課題についても書かれております。
・「1人経営」は、1人もしくは超少人数のスタッフ(基本的には、従業員ゼロ)で仕事をして、稼いでいくというスタイルです。
・「1人経営」においては、社長1人が変わればいいわけですから、方向転換や調整も容易にできるはずです。「1人経営」の社長は、「変わることが仕事」と言ってもいいくらいです。
・規模が小さければ小さいほど、撤退する(事業をやめる)障壁が低くなり、事業をやめたり切り替えたりすることもやりやすくなります。
・オフィスや従業員はもういらない
・雇われない生き方、雇わない生き方
私が以前に参画していた広告代理店でも、「大きいプロジェクトを社員を1名にして、その他のメンバーは全てフリーランスという形態」が増えてきました。これまでのような正社員で育てていくスタイルは減っていき、フリーの方が増えてくる時代ではないでしょうか。
4.「ひとり起業」の強化書
著者:天田幸宏 (著)
1人で起業する方向けの専門の教科書。実際に3,000人の方をインタービューして書かれた貴重な一冊です。ドラッカーの理論をベースにひとり起業専門に特化した書籍になります。
やはりここでも共通して描かれている事が「競争しない」というキーワード。
下記、とても印象に残った箇所になります。
・ひとり起業では、レッドオーシャンに絶対に近づいてはいけません。1年ももたずに撤退を余儀なくされることでしょう。
・残念なことに、成果をあげられない起業家の多くが「自分の強みが明らかになっていない状態」で事業を行なっているのです。
・これまで3000人を超える起業家の取材を通じて、成功している起業家には事業の大小に関係なく、いくつか共通点があることがわかりました。
①「強み」に基づいた事業を選択していること
②明確な「コンセプト」を打ち出していること
③変化する「顧客ニーズ」にきちんと応えていること
④「独自の市場」を築いて価格競争に巻き込まれないこと
⑤「理想の顧客」をつかんでいること
実際に独自戦略を立てているケースなども記載されており、大変参考になります。
5.ブランディング22の法則
著者:アル ライズ (著)
ブランディングの考え方の基礎がぎゅっと詰まった一冊です。
<特に印象に残った所です>
①とにかくカテゴリーで1番手になる事
②もし1番手になれなかったら”自分達だけの独自カテゴリー”を作る事
③焦点を絞り込むと強力なブランドが出来る
いかに焦点を絞り込んで”1番手”になれるかが勝負。
カテゴリで一位になる、難しければ自分で独自のカテゴリを作る。フリーランスの場合、自分で「独自のカテゴリ」を作るところではないでしょうか。
八方美人を目指すと、どうしても自分の得意領域が狭くなってきます。個人だと小さい市場のカテゴリーで1番手になる事も難しい為、独自のカテゴリ作りが重要になります。
独立に関わらず、ブランド戦略の基本的な考え方にも役立ちますし、Webディレクターには必読の一冊です。
6.オリジナリティ – 全員に好かれることを目指す時代は終わった
著者:本田 直之 (著)
本書は、個人経営の飲食店のプロフェッショナルの方々をまとめた書籍になります。職種は違ってきますが、飲食でのオリジナリティの追求と差別化戦略はとても参考になります。
どう差別化をしていったか??のプロセスが書かれております。
中でも記憶に残ったのが、お寿司屋さんを初めて、マグロや様々なネタを取り扱っていましたが、周りで勝てる見込みが難しい為、「熟成寿司専門店」に絞り込みにしていった内容です。
▼特に印象に残った所を引用
・オリジナリティのない人は、生き残れない時代が来る
・本書は、『ミシュランガイド』で星付きの鮨、日本料理、焼肉、フレンチなどの飲食店、大きな人気で売り上げを急激に伸ばしている日本酒の蔵元、高級レストランに野菜を卸している農家、といった食の世界のプロフェッショナルたち15人にインタビューをして生まれた一冊です。
・できないこと、やらないことをはっきりさせる
Webディレクターもあれもこれも幅広く出来る!のではなくて、1つの専門領域を特化させて、それを軸に強みを展開していくべきです。1人ですので、総合的なアプローチになると、分業制の会社だと負けてしまう為。
まとめと結論
【6冊に書かれている結論:共通して書かれている事】
結論:①競争しない・戦わない ②得意領域を明確にする ③やらない領域を決める
なんとなく独立をして、そのまま長く続けていくには難しい為、出来るだけ自分の特化した得意領域を明確にする必要性があります。スキルをあれもこれもと手を付けて、なんでも出来ます!になるとクライアントに振り回され、月額の単価も安くなり、やりたくない案件が集まって、案件を断る事が出来なくなります。
出来るだけ、自分の得意領域を見つけ、競争を避けて、クライアントから選ばれるような「戦略」を作っていく事が絶対的に必要です。
これから独立する方はもちろんですが転職する方も含めて、Webディレクターの得意領域を引き出し「強み」を作る参考の書籍になればと思います。
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